第30回天句会 平成18年10月12日(木) 「てんとうむし」にて

作者 俳句 ポイント
虚生 一息が湯呑みに変わる夜長かな 4p
のヽ字 クレヨンの青ひとつ欲し野分けあと 4p
紫蝶 霧雨に襟合わせまだ夏衣 4p
会長 犬抱いて崖の女は秋の中 3p
三代 雨上がり傘の向こうは月がをり 3p
南朝 路地裏に夕焼け七輪あの苦味 12p
和音 継ぐ言葉なくて転がす檸檬かな 14p
減滅渡 ちぎれ雲追うてススキのイナバウアー 0p
さん太 この声が君に届くか虫時雨 0p
初音 猫の風邪冷戦夫婦の接続詞 3p
呈茶 吹く風に暗雲を抜け駆ける月 4p
馬笑 薄の穂一しずくして空仰ぐ 1p

勝ち負けを争っている会ではありませんが、和音さんと南朝さんが競っていたところ、東京組の点が入って和音さん一等賞!
情景が目に浮かんで、なんとなくその気持ちがわかるわぁという句でしたので、私も○を入れました。
檸檬という言葉か効いていると会長も絶賛しました。
「みかんじゃだめなんだよね」と会長が真面目に解説している言葉尻を捉えて「バナナじゃだめ」「スイカじゃだめ」とみんなではしゃぎだす・・・「小学生か!」
南朝さんの句もとてもよくて会長から褒められていましたが、「【路地裏や】だったらもっとよかったよ」とアドバイスをいただきました。
そろそろ「・・・や」とか「・・・かな」とか使ってはどうかな?と会長のアドバイスがありました。
昔は「無理に「や」や「かな」は使わなくてよろしい」と我々には言われておりまして、我々の句のレベルが上がったのか・・・会長がボケて昔言ったことを忘れたか・・・どちらでしょう?

紫蝶さんは「まだ夏衣」が「秋」を表す句として発表されたのですが、「霧雨」が秋の季語だと会長に指摘されました。私はその情景が浮かぶ良い句だなぁと思い点を入れましたが、季重なりなんですね。

馬笑さんの句と減滅渡さんの句は似ていて、いつも穂を垂れているススキが、馬笑さんはしずくをはねて、減滅渡さんは風に吹かれて逆に反るという意味なのですが、「そんなに反らないよ」とか「イナバウアーはないよ」と、かなりバカにされていました。
作者 川柳 ポイント
馬笑 デトックス帰りに毒舌冴える妻 1p
紫蝶 申し訳なさそに五円赤い羽根 1p
会長 コンビニのおでん流し目おでん好き 0p
三代 つま恋で青春燃やすたいこ腹 13p
虚生 偽政者の犠牲者になる子供達 0p
南朝 プロフィール父が国宝甥花緑 1p
和音 松茸の飯は食わねど永谷園 12p
減滅渡 岐阜県は年中夏服裏がねえ 14p
みるく 京の旅議員切符でモナカ食べ 5p
さん太 悩む主婦マツタケ売り場は清水か 5p
呈茶 おばちゃんはミスは見過ごし逆ギレる 0p
のヽ字 大残業した気にさせる秋の暮れ 5p

川柳で減滅渡さんと三代さんが高得点者というのは、会発足以来初めてではないですか?
「ネタがなくて苦し紛れに作ったんですけどねぇ」とめずらしく謙虚な姿勢をとったヘルさん。天狗連発足27年、謙遜するヘルさんを初めて見ました、私。
三代さんは句会のメンバーの世代の心境をぐっと掴みましたね。
和音さんの作品も絶品ですよね。「飯は食わねど永谷園」のゴロが良くて私は◎入れました。
番狂わせ?でいつもトップにいるさん太さんと南朝さんが影を潜めました。

作者 地口(だじゃれ) ポイント
紫蝶 飲酒リン 1p
三代 定年は荒野をめざす 2p
南朝 落第ね柳家小さん 1p
みるく まだ、想像 8p
減滅渡 婦系参観 0p
のヽ字 品川行って着替えやしょう 17p
さん太 お父さん、明日の運動会、必ずミニ着てね 3p
初音 安倍しんど 0p
呈茶 九州の姪です 7p
馬笑 ニートの手編みセーター 3p
虚生 恥史郎ダメだ3兄弟 0p
和音 オール前科の時代でしょ 10p

やはりのヽ字さんでしたかー。いかにものヽ字さんらしい作品に、みんな作者が誰かわかりつつも納得して点を入れてました。
念のためにダジャレの元を書いておきますと「知らざぁ言って聞かせやしょう」です。
他の人のも念のため書きますと、「六代目柳家小さん」「涙(なだ)そうそう」「安倍晋三」「中秋の名月」「おーる電化の時代でしょ」です。
さん太さんは耳で聞いてわかるダジャレじゃなくて視覚に訴えるもので挑戦してみたそうで「ミニ」とカタカナで書かなければわからないシャレを出品しました。しかしみるくちゃんひとりからしか点がもらえずに、「俳句も川柳も地口も今回はだめでした」とやや自暴自棄になっていました。
きっとお疲れだったんですよね。

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