大33回天句会 平成19年3月1日(木) 「まつや」にて

作者 俳句 ポイント
さん太 うす氷踏む子らの声目覚ましに 1p
紫蝶 しばらくは猫に添い寝の紀元節 1p
南朝 雪解けや衣の下のほろ苦さ 10p
呈茶 傘さして早足にふと梅香り 4p
初音 何もかも覚えているよと齢猫 8p
虚生 合格にそっと握手照れ笑い 0p
馬笑 春雨やアスファルトにも苔宿る 3p
ヽ助 二人いて二人が笑う春の空 7p
三代 梅の香や団子に負ける野暮が好き 4p
減滅渡 夜の梅香に迷いたる流れ星 1p
のヽ字 君が出た幅十センチの寒さかな 6p
和音 右耳に声を残して春の空 3p
毎月句会の様子をMDウォークマンで録音して、そのMDを東京に送って、のヽ字&馬笑夫婦に臨場感溢れる様子を楽しんで(?)いただいています。
たいてい私の座る位置にこそっと置いておくのでみんな録音していることを忘れて言いたい放題で、本当に収集つかない状況をそのままお届けしているのです。

でもね、今月は「会長の声がよく拾えるように」と会長のまん前にMDウォークマンが置かれてしまったのが結果的にいけなかった。
会長がなぜだか録音を意識してしまって、全体的に句の批評が甘口になってしまった。

東京組から「今月会長どうしたの?」と心配の声をいただいたほどコメント全体がやさしいのです。

決して会長にヤキが回ったわけではありません。ちょっといい子になっただけ。

よって今月の会長の総評は「みんなの句にそれぞれ個性が出てきて、自分のイロを持てるようになった」というお褒めの言葉であった。

ポイントでは南朝さん(句会は欠席)の句が一番でしたが、『衣の下のほろ苦さ』とは『ふきのとう』を表しているので『雪解けや』と『ふきのとう』が季重なりになってダメです・・・と批評されました。
単語そのものを使っているわけではないのに季重なりですか??とみんな驚きましたが、連想されるものに季節が入っていたらそれだけで季重なりになるんですって。
勉強になります!!

今月会長から◎をいただいて、絶賛されましたのは、ワタクシ呈茶の句でした。
『傘さして』という言葉に動きがあるのと『ふと』っていう言葉はあまり俳句には好ましくないのに、今回はその『ふと』が時間が止まる瞬間を表していてとても効果的に使われている・・・と褒められた・・・(と、自分で書いていて照れちゃうゼ)「まるで新派の演劇を見ているようです」ともおっしゃっていただいて、私は新派は見ないけど、演劇ファンとしてはとても嬉しゅうございました。

この句は呈茶にしてはめずらしく、妄想ではなく実体験を元に作られた句でした。
先月雨の日に墓参りをしたときに、せっかくだから向山の梅園の様子を見ようと、傘さして駆け足で通り抜けた時のことなんです。雨と寒さで風情なんてあったものではなかった悪条件の中、ふと梅が香ったんですね。その瞬間、ちょっとだけ優雅な気持ちになれたのですね。

そんな様子を詠んだ名句でした(^_^;)

作者 川柳 ポイント
のヽ字 その注意お前になんだよウォークマン 2p
さん太 支持率が歌う賛美歌『アベ無理ヤ』 7p
減滅渡 口車乗って家計は火の車 15p
みるく 内線が使えず子機持ち走る母 4p
三代 葬式で笑える年まで生きてやる 8p
ヽ助 安倍川のキナ臭い餡食当たり 3p
紫蝶 ケンさんは渡辺謙じゃないだろう 0p
南朝 先生も患者にかくれ鼻をかみ 3p
呈茶 涙目で「スギ」という色気かな 4p
虚生 アノ姉妹泥仕合でもうしまい?く 0p
馬笑 妻二人師も適わないおふくろさん 3p

減滅渡さんがダントツですね。甘い儲け話に乗ってしまって大金を損してしまったなんて話は後を絶たないですよね。
「これウマイよねぇ」とみんなから褒められちゃったヘルさん。「こんなに点が入るとは・・・あまり自信はなかったんだけど・・・」ととても謙虚。
けなされたり、バカにされるとものすごくむきになって反論するんだけど、褒められるとおとなしくなっちゃうのは天狗連全体の体質みたいですね。

三代さんは、「葬式に出て、あまり子供たちに泣かれるといやだなぁと思って、俺は絶対に子供たちから笑われる歳まで生きてやる」と決意したそうです。
「大丈夫ですよ、三代さんなら今死んでもみんな笑いますから」
「・・・・」
作者 地口(だじゃれ) ポイント
馬笑 ♪嫁と母の間に一人の私・・・ 3p
さん太 子供は彼の子 5p
減滅渡 沸かしバカよね 11p
三代 官能姉妹 0p
紫蝶 ノリが通れば堂上引っ込む 1p
ヽ助 ヤクザ渡世死んだろう 0p
虚生 欝苦しい国、日本 9p
みるく 叶芝居 5p
南朝 カレーナスイチジク 0p
呈茶 秀樹還暦 10p
初音 放置国家 2p
のヽ字 不倫説?まさか! 2p
おつ、ここでも減滅渡さんがトップじゃないの。すごいねヘルちゃん。
湯沸かし器をもじったシャレですね。
「これも苦し紛れで、ダメだと思っていたんだけど」とまたもや萎縮。
ヘルさんが大人しいとおかしい。

さん太さんのは「子供は風の子」が元の意味です。
これにマルをつけた人たちが「これには『子供は亭主の子じゃなくて付き合っている彼の子』っていう意味があっておもしろいよねーー」と言ったとたんに、「勝手にそんなドラマを作らないでくださいよーー」とさん太さんの叫ぶ声。
「え!そー言う意味じゃなかったの?」みるくちゃんと私・・・妄想しすぎ?

先日トムマス(やん泥さん)の還暦のお祝いを天狗メンバーで行いました。
12年前に会長のお祝いをして以来です。
これからどんどん還暦祝いに忙しくなりそうな我々天狗連です。
「句会に飽きたら毎月お誕生会を開こうね」なんて話で盛り上がったりしてます。
ジジ・ババが集まって毎月お誕生会をしてたら、なんだかシュールじゃありませんか。シャレにならないか?
そんなことがあったので私が「秀樹還暦」を思いつきました。
西城秀樹が還暦を迎えたら絶対にあのハスキーボイスで言うよね(^_^;)

ということで全体的におとなしめの句会でした。
来月はMDを会長の目の届かないところに置くということと、会長を憤慨させる作品を作るというテーマでやることとしましょう。
どうかお楽しみに!

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