第36回天句会 平成19年8月9日(木) 「まつや」にて
作者 |
俳句 |
ポイント |
のヽ字 |
迎え火を焚く老母の背はしゃんとして |
6p |
紫蝶 |
おにやんま戻りてリンの塵ぬぐう |
4p |
減滅渡 |
ギラギラリしゃあしゃあミンミンだらだらり |
3p |
虚生 |
日焼けせる娘の頬にけむる香 |
3p |
ヽ助 |
新盆の銀河高原ビールかな |
0p |
さん太 |
初盆や鏡の自分に父還る |
13p |
南朝 |
妹の背中送り火母が逝く |
0p |
呈茶 |
幼子の手に色気あり盆踊り |
9p |
和音 |
寄り道は程々にねと角火焚く |
3p |
三代 |
哀愁を蹴飛ばす観光盆踊り |
0p |
初音 |
迎え火は18回目の親不孝 |
1p |
やん泥 |
照りつける川面に一涼みずすまし |
6p |
馬笑 |
送り火はテールランプの数珠つなぎ |
0p |
今月の俳句は季題を「お盆」と決めました。
先月小市民寄席の打ち上げの時にみんなの前で言ったので、全員に知れ渡っているはずであったのに・・・半分くらいの人が覚えていなかったという事実が判明して、あわてて句会の3日前に確認メールをまわしました。
「みんな忘れてるから、季題はなんでもいいよ」とは(当然忘れていた)会長のありがたいお言葉でしたが、なんとか「お盆」で揃ったようです。
「お盆」というのは実は秋の季語です。俳句は季節先取りなのか、「すいか」も秋なんですよね。なんか実感わかないんですよねー。
今回トークバトルの対象となったのはさん太さんの句。
さん太さんは今月欠席だったので、点数が入ったにもかかわらず重箱の隅をつつくように細かい意見がどんどん出ました。
「初盆ということは今年父親が亡くなったということですね。例えば息子の年齢が40歳だとすると父親は70歳くらいですよね。それだけ年の離れている親の顔と自分の顔が重なるでしょうか?十三回忌で自分が死んだ父親の年齢に近づいて面影をみつけるならわかりますけど」と、大変細かく分析したのは、医学部を卒業された先生の談。古畑任三郎並の冷静な分析です。
「そうなんだよねーー。僕が点を入れなかったのは、写真を見たり、ふとしたしぐさをしたときに、『親に似ているなぁ』とおもうことはあっても鏡を見て思うことはないからなんだよね。この句にはウソがある」とは人情噺は得意だが、冷徹な某役所の重役さん。
さん太さんのお父さんは健在なのでこの句は想像で作られたんですよね?
時代考証を重視して現実描写にうるさい天狗連の重鎮をなめたらあかんぜよ。
あとやん泥さんの句(これはお盆の季語ではなかったですけど)
「照りつける」(夏)「一涼」(秋)「みずすまし」(夏)これらが季語なので季重なり。川面にみずすましは当り前ということで、これまた点が入っているんですけど、会長から注意がありました。
作者 |
川柳 |
ポイント |
呈茶 |
絆創膏書類に貼るの忘れてた |
5p |
紫蝶 |
青狼のこころ曇らす朝青龍 |
4p |
減滅渡 |
サッカーで足をすくわれ土俵際 |
16p |
さん太 |
結果出ぬオシムが横綱招集し |
0p |
ヽ助 |
桜咲くパパがキャディでさくら散る |
0p |
みるく |
夏の怪廃墟・トンネル・電気代 |
1p |
攻 |
美女美女に雷雨で桟敷お釈迦様 |
0p |
南朝 |
そうめんが嫌なら外で食べてきて |
12p |
やん泥 |
朝青龍稚拙さ表す蒙古班 |
5p |
のヽ字 |
夏休み上司の予定をまずチェック |
0p |
虚生 |
絆創膏はがしアカギレ化膿する |
1p |
馬笑 |
長き瀬に泳ぎ疲れて鮎落ちる |
3p |
句会も三週間くらい経つと時事ネタが古くなりますね。(スミマセン)
赤城さんの絆創膏事件がもう記憶から抹消されかかっている。
朝青龍さんはまだ健在ですけどね。
サッカーと相撲をうまくつなげた減滅渡さんの川柳がダントツでしたね。
「苦し紛れに作った」という自信なさげなヘルさんでしたが、トップおめでとうございます。
しかーーし、話題をさらったのは南朝さんの「そうめん」でした。
◎を入れたのは見事にご亭主ばかり。いつも奥さんから言われてて身にしみてわかるんだって。
「点数入ったけど、これは怖くて奥さんには見せられないなぁ」とは南朝さんの本音のつぶやきでした。
作者 |
地口(だじゃれ) |
ポイント |
やん泥 |
安倍の生命 |
6p |
南朝 |
酷暑感想文 |
6p |
さん太 |
小水しきった顔 |
13p |
みるく |
ヘンゼルとグレてる |
2p |
紫蝶 |
赤城のヤマでい一家離散 |
0p |
呈茶 |
好色選挙法 |
0p |
減滅渡 |
サンマカニ威張る |
0p |
初音 |
腹上死盆に帰れず |
13p |
のヽ字 |
今後どうだん |
1p |
三代 |
赤城のこまり歌 |
6p |
攻 |
晋三発作 |
1p |
虚生 |
誤晋三さんへお上さんへ
やさ自民ひでえ無礼だなー |
0p |
馬笑 |
白髪げんなり |
0p |
時事ネタをもじったダジャレが多い中で「腹上死」はものすごく注目を集めました。
おもしろい!おかしすぎる!!「確かに盆には帰れないなぁ」としみじみもらす殿方たち。迎え火を焚く奥さんだってイヤだよね。十三回忌のお経を読みながらも想像しそうだ。ネバーフォーゲットだよね。
この作品を誰が作ったのかものすごく気になった私でしたが、あの麗しのマダム初音さんだとわかったときは後ろにのけぞりました。
「うん、なんとなく思いついたの」とまったりと笑顔の初音さんなのでした。
さん太さんの「小水しきった顔」は流石ですね。天狗連一同感心したのでした。
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