第22回天句会 平成17年10月6日(木) 「喜喜」にて

作者 俳句 ポイント
紫蝶 椋鳥のねぐらかまびすし夕間暮れ 0p
減滅渡 名月も雲を纏てウォームビズ  4p
さん太 昨日より月との逢瀬長くなり 9p
南朝 居待ち月メンデルスゾーンを聴いてみる 8p
呈茶 秋日暮れ心も行方見失い 6p
虚生 十五夜の清光冴えて子の歓喜 4p
三代 節節の痛みに耐えて月明かり 6p
ヽ助 秋水や喝オリヴィエのハムレット 0p
ポスト 肌寒さ朝夕触れる秋の憂い 1p
和音 くちばしでカラスが急かす秋入日 8p
初音 十月や弟のこと友のこと 10p
一大事件発生!!今月東京から句が届いていない!!・・・と当日会場で会長が開口一番におっしゃいました。
いつもメールで連絡している呈茶は慌てました。「あれ?忘れたのかな?でも・・・のヽさんから問い合わはなかったし・・・」
恐る恐る東京へ電話すると「別の日と勘違いしていたーー」との返事。
よって今月は東京組の作品はなし。評点のみ参加となりました。寂しいわ(;_;)

はい今月も激評の嵐です(笑)

まずは『けなされ組』から
めずらしくロマンチストな句を詠んだ虚生さん。
「清光とは月の青い光という意味なんです。辞書で調べました。」と、鼻高々に説明し始めると、
「十五夜なんだから清光は当たり前」
「清光が冴えるっていうのも当たり前だよね」
「ってことはこの句は無駄だらけで十五夜と歓喜しか残りませんね」と、外野席からやんややんやと悪態の嵐。みんな虚生さんには常日頃言えない不満があって、句評で返しているみたい(^_^;)

次、ポスト君
「『肌寒さ』が秋を表す言葉なので『秋の憂い』と重なりますね。」
「秋の憂いも当たり前な表現だなぁ」
「秋の朝夕が寒いなんて当たり前すぎだ」
「この句はいいところが何もありませんね」
・・・これはまぁお約束ということで。
ちなみに今月ポスト君に○をつけたのは、みるくちゃんでした。
「だってーー、牛乳屋は朝が早いから肌寒さって言葉に入れちゃったのよ〜」と泣きながら弁解してました。

ヘルさんの句の「ウォームビズ」という言葉は新しい言葉だから季語はないだろうけど『ウォーム(あたたかい)』って言葉を秋の句に使っていいのだろうか?という質問がさん太さんから出ました。ちょっと考えていた会長、ヘルさんの顔をじっと見ながら、「ま、良くはないよね」
足元を見るという言葉はあるが、天句連の場合は作者の顔をみて批評が変わることが多々あります。

紫蝶さん椋鳥は季語だそうです。夕間暮れと重なっちゃいましたが、さりげなくスルーされちゃうあたりは某市役所の部長というポジションが物を言っているようです。

言い訳がましいですが、呈茶の「心も行方を見失い」は以前「も」は曖昧なので使わない方がいいといわれておりましたので、会長に句を提出するときに「『の』を使うべきか『も』でいいか会長のご判断に任せます」とFAXでお願いしておいたのに見落とされておりました。
会長「呈茶さん、『も』はね使わない方が良いっていったでしょ」
呈茶「だから〜会長おぅ〜(涙)」

次「ほめられ組」

今月会長より絶賛された句は南朝さんと初音さん。
「ドビッシーでなくてメンデルスゾーンっていうのがいいです」
「聴いてみるのみるが効いています。この句はしっかりと計算されて作られているところがいいです。」

「十月なんですよね。九月ではだめ、十一月ではだめ、なんとなく兄弟や友のことを思い出すのは十月がいいですね。これは計算ではなくふと思い浮かんだ初音さんの感性がよく出ています」
作者 川柳 ポイント
虚生 BMで早く行きタイゾー料亭へ 2p
呈茶 腹いせに塩ひとつまみ椀に投げ 13p
南朝 子の宿題銀賞に母悔しがり 10p
みるく 白い粉大事な一票裏切られ 4p
紫蝶 なにが甘美の胴上げだ顔が寛美 1p
さん太 長久手やツアーものどもが夢の跡 12p
ヽ助 こだわりのバタピー時の過ぎ行くまま 0p
三代 バンドよりお笑いモテる時代なり 3p
減滅渡 球界の寛美に客も笑い泣き 2p
和音 物言えば贅肉厚し秋の腹 9p

川柳は得点で行くと私、呈茶が一番だ。姑の椀に入れてるのか?、ダンナの椀か?とヤイヤイ言われました。(笑)「はい、ダンナでーっす!」
ウソウソ入れてません。(まだね) しかし塩分控えめと医者に言われているダンナが、私の目の前で手料理にしょうゆをかけるとですね・・・ついついこんな気持ちにもにもなります。○を入れてくれた方々はなぜか既婚者の男性でした。嫁の気持ちを痛いほど理解しているんですね、ヘルさん。

和音さんの川柳は本当は「物食えば贅肉厚し秋の腹」だったんだそうです。会長のタイプミスで「物言えば」になっていて、評点の段階で和音さんより明かされました。すると点数を入れた人たちから「物言えばの方がおもしろいよ」「しゃべるたびに贅肉がプルプルしてる感じでおもしろいじゃん」と、やさしくフォロー・・・と思いきや、「物食えばじゃ○は入れなかったからね」
天狗連の男性陣ってやさしいんだか厳しいんだかわからないわ。

最近お笑いブームで芸人さんがモテる時代です。そんな様子を詠んだ三代さん。「あー、もっと早くこんな時代が来ていたらなぁ」と深いため息をついていました。

会長の作品、俳句・川柳ともに解説を聞いたのですが、よくわからんのです。会長の域に達するまでにはまだまだ時間を要する我々です。(呈茶のつぶやき)
作者 地口(だじゃれ) ポイント
紫蝶 濃い墨散る取れん 6p
みるく 触っていいホモ 3p
南朝 野田聖子当選落日 4p
減滅渡 四方発砲 4p
呈茶 村上憤怒 3p
和音 エアガン発泡事件 0p
南朝 改革血がふさがらない 5p
さん太 日本銃弾 6p
三代 人並み五人男 4p
虚生 小泉散る奴隷 1p
呈茶 杉村改造計画 0p
紫蝶 カマス愛子 0p
さん太 無職当面 4p
減滅渡 学校明日弁当 0p
虚生 村上ファン怒 9p
初音 全力失踪 5p

地口の点数は割れましたね。要解説な作品は今回少なくて、全体的にわかりやすいですね。
虚生さんの村上ファン怒、確かにファンが怒ってましたね。またもや呈茶とかぶりましたが、今回は虚生さんの勝ちを認めます。
あえて解説させていただくなら、三代さんのは歌舞伎の「白浪五人男」
紫蝶さんのカマス愛子は三益愛子(女優さんの名前・ふと思いついたんだって)
さん太さんの無職当面は無色透明。
初音さんの全力失踪は全力で走って失踪する光景を思い浮かべるとおかしいですね。

うーーん、やはり東京組の作品がないと寂しいです。

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