第23回天句会 平成17年11月10日(木) 「まつや」にて

作者 俳句 ポイント
のヽ字 江戸っ子の気をせかせるや一の酉 11p
紫蝶 黄落の客地に降り立つ老詩人  6p
減滅渡 晴れ渡る空を切り取るもみじの葉 3p
初音 真っ青な正午の空に意を問われ 6p
さん太 紅色のウェーブ山を駆け抜ける 0p
ヽ助 おお昴我が青春という土管 6p
三代 紅葉狩り今日は水辺に明日山に 0p
南朝 秋晴れや母の友の笑い声 0p
ポスト 明け方に油断してると風邪をひく 0p
虚生 当然に涙して知る我が老いを 0p
和音 せがまれて父の爪切る小春の日 6p
馬笑 本の陰潜音を聞く蒸かし芋 0p
呈茶 色づいた一枚の葉が落ちた夜 6p
今月の句会欠席者は紫蝶さんとさん太さん。公私共にお忙しいおエライさんの両名です。

のヽ字さん、先月の雪辱を晴らしましたね。「私が句を出せば当然トップよ」と高笑いしている姿が思い浮かびます。いえ、実際ののヽ字さんはそんなタカビーな女性ではありませんが、俳句の会ではみんな性格が豹変するのです。
「でもさ江戸っ子って気が短いもんだよね」
「だよね。一の酉が来なくたって気はせくよね。」
みんな薄々東京モンの句だとわかって○入れてるくせに、お約束でけなしてみる。

今月の『駄目だし大賞』に輝き、会長にコテンパンに批評されたのは、なんとさん太さんでした。
「ウェーブという言葉を使うとはいかがなものか?しかもウェーブが駆け抜けるなんてそりゃないよ。さん太はいったい何をやっているんだ!これでいいと思っているのか!」会長はいつもこんなに怒らないのですが、言葉ではプロになっているさん太さんゆえに、あえて厳しい批評をしたのだと思われます。
「さん太さんは今原稿書きが忙しすぎるのです」
「それは虚生さんが悪いのです。」
「そうよ虚生さん、さん太さんをコピーライターとしてこき使いすぎ!」
・・・やはりやり込められるのは虚生さんであった。

そのせいか今月のポスト君の風当たりがぐっとやわらかくなりました。
我々全員を絶句させた今月の作品は、けなす対象にもならずに、逆にみんなでポストをなぐさめる結果となりました。もしかして・・・確信犯か?

今月会長より絶賛された句は減滅渡さんの句でした。ヘルさんを知る我々は、その句と作者とのギャップにまたまた絶句!

会長の作品の中に出てくる土管とは、昔は空き地に土管が積んであって、そこから空を見上げていた青春時代の風景を詠んだ句だそうです。なるほど言われてみれば、土管積んでありましたねぇ・・・(トシがわかるか)

作者 川柳 ポイント
のヽ字 駆け込みし専用車両に紅ほのか 3p
減滅渡 いも蒸かしマツタケごはん秋深し 0p
さん太 浮気ばれ亭主の頬に紅葉かな 7p
三代 ハッスルはスジ書きどうり大狂言 0p
紫蝶 踊り子の想いふるよな秋時雨 0p
ヽ助 小野リサのボサノバ風のくしゃみダバ 0p
南朝 新居さえ知らぬ親戚飯を喰う 11p
虚生 米国の民意が勝るポチ国家 1p
和音 ハロウィンに続くコスプレ七五三 12p
馬笑 大統領日本人でももインカなぁ 3p
呈茶 うちの子にブログはないかと親焦り 7p

川柳トップは和音さんでした。私も点数を入れたのですが、日本で名前だけは細々と浸透しているハロウィンは英会話学校のコスプレパーティーとして維持されていますね。そういえば七五三もコスプレっぽいですよね。和音さんのお友達夫婦が実際に躍起になって我が子の衣装の心配をしていた様子を詠んだのだそうです。
南朝さんの作品は結婚式に出席したテーブルでの実際の話だそうです。
「結婚してどこに住むだねぇ?」「どこだねぇ?」と言いながら親戚が新郎新婦を祝う様子がおかしいです。
作者 地口(だじゃれ) ポイント
和音 離島韓国 4p
馬笑 妻不気味さ歳 0p
三代 セッチー辛い世の中 3p
南朝 放火魔と私 11p
さん太 乗らば体重のかげ 6p
南朝 大事件警察本部 0p
ヘルメット NHK(日本放火しよう記者かい) 0p
紫蝶 千代田のおしろい 3p
三代 インリンリン インリンリン ムチが鳴る 0p
虚生 尿モレ〜身〜ヨ 3p
のヽ字 佐藤ただ飲む 1p
さん太 ノーだ、聖子 1p
ヘルメット いもクリサンマカキ秋ね 4p
初音 内閣感冒長官 0p
虚生 観ず最後 7p
和音 ナースがまま 0p
のヽ字 一席紫蝶 1p
馬笑 増税しらん 0p

地口トップは南朝さん。「王様と私」二番手虚生さんのは「ミスサイゴン」
本田美奈子さんの訃報があってすぐだったので、ミュージカルの題名のシャレが出ました。

私事ですが、ミュージカルオタクの私はこの訃報は本当に残念でなりませんでした。私の俳句はヘルさんや虚生さんから「女をやっと口説き落としたいやらしい句だ」と解釈されましたが、絶頂期に逝ってしまった美奈子さんを詠ませていただいたものです。デリカシーのない男どもにはわかるまい・・・。
毎回高得点のさん太さん、地口でも高得点とはいきませんでしたね。やはりお疲れなのかと・・・
紫蝶さんの「千代田のおしろい」は千代田城(江戸城)と大奥をかけた高尚な地口でした。

馬笑さんの「増税しらん」は「どうせいしらん」という三河弁より。
以前奥様ののヽ字さんが「どうせい酒乱」っていうのを出してましたよ。
作品を提出するときに夫婦での話し合いはないらしい・・・。

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