第27回天句会 平成18年3月9日(木) 「てんとうむし」にて

作者 俳句 ポイント
のヽ字 いつからが余生となるや桃の花 6p
三代 水戸の梅ドームの屋根と競い立つ  0p
さん太 春物のおニューに「にあう」と猫の声 4p
呈茶 梅の香に路地ひとつ折れ遠回り 10p
初音 男ども冷たき水で熱くなれ 1p
南朝 駆け込んだ子らの手に土汗土筆 6p
減滅渡 片隅に小さな春を見つけたり 0p
ヽ助 春眠や沖へ出る舟帰る舟 10p
辰也 襟立ててイタリーに聞く花便り 6p
虚生 安心の言葉飛び交い増す不安 0p
和音 春光や喉をそらせて水を飲む 8p
馬笑 糸遊と取り残されし交差点 6p
紫蝶 春雨のまた心地よし木挽町 3p

まずは今月、会長より絶賛されたのは南朝さんの作品でした。五七五の中に無駄がない!情景が目に浮かぶ!下五の「つち・あせ・つくし」のゴロが心地よい!「これは母親じゃなくて父親の気持ちなんだよね、子供たちを見ている父親の気持ちが伝わってくるんだよね」かなり会長の右脳を刺激したようですね。
ふむふむなるほどね。情景が目に浮かぶ句がいいんだね・・・よっし!来月は会長の右脳をビシビシ刺激する句を作ろう!(・・・多分みんな同じことを考えていると思う。)来月はどんな句が出るかお楽しみに(^.^)

そして今月のダメ出し大賞は馬笑さんの作品でした。
「糸遊」とは「陽炎」のことです。会長も辞書で調べたそうです。「こーいう難しい単語をあえて使うのが気に入らない」ということで、去年のさん太さんの「ウェーブ」以来のお怒りで、これまた本人が参加していないことをいいことにボコボコにけなされました。
作品を読み合わせる段階で「糸遊」の説明がありましたので、私は都会の交差点の風景を描き思わず○をいれましたが、言われてみれば説明がなきゃわからないってのは良くないかも・・・。ふむふむ。。。
後日談ですが、馬笑さん本人は「陽炎」だとあつくるしいからあえて「糸遊」という単語を使ったということ、酷評は全然気にしてません。これからもマイペースで行くそうです。

会長の作品は「二物衝撃」。これは春眠と舟というふたつの違う言葉をぶつけて春の穏やかさを詠むという・・・私にはうまく説明できないんですけど、相乗効果とも取れる作品は良い句なんだよというようなことを会長はおっしゃいました。・・・会長、自我自賛じゃん(^_^;)
のヽ字さんの「余生」と「桃の花」も二物衝撃なのだそうです。
右脳を刺激する二物衝撃か・・・難しい・・・。

まさか「猫の声」が春の季語だとは思わなかったと嘆いたのはさん太さん。春になるとあちらこちらで猫が鳴きますよね。だから春の季語なんだって。おもしろいですね。季語を入れるためにわざわざ「春物を」とつけたので季重なりとなってしまいました。

今月おしゃれな句を出した辰也さん。おしゃれな和音さんと虚生さんがその言葉の響きの美しさに◎をつけました。作者本人に「イタリー」の意味を聞くと、寒い日にコート着て歩いてたら偶然イタリア帰りの友人に会って「イタリアは暖かかったよ」と立ち話をした様子を詠んだと解説。
「・・・なんだ、どうってことない句だった」と虚生さん。
辰也さんの句から「リラ冷え」という言葉を思い出して、持ち前の素晴らしい想像力をかき立てていたのは和音さんでした。

ここで辰也さんの紹介。
天狗連のプログラムにお顔は載っていませんが、落語が大好きな善良な市民です。
南朝さん・さん太さん・辰也さんが時々コソコソ話ているのを聞耳立てると、すっごいマニアックな話をしてます。3人ともめちゃくちゃ楽しそうです。ということで、天狗連の中でも落語オタクな方です。

作者 川柳 ポイント
虚生 昔から社長やってたイナバウァー 0p
減滅渡 春霞包んでほしいウチの嫁 1p
のヽ字 イナバゥアー真似して実感イマババァ 8p
息子かも携帯忘れ永田帖 0p
さん太 ハート付きメールガセだと夫汗 9p
南朝 鬼太郎の親父は顔中かゆかろう 5p
和音 景色よりシワを隠して春霞 3p
馬笑 デパ地下で山野菜追う蝶となる 9p
みるく 参加だけ許せず期待し寝不足に 7p
三代 攻あせり名を上げられぬ人ばかり 0p
辰也 四番で何が悪いと言う息子 2p
ヽ助 ドアひとつ落ちて天下の飽きを知る 3p
ポスト やっぱりね来季セリーグプレーオフ 0p
呈茶 「サクラサク」郵便箱に春が来る 7p
紫蝶 つまづいたふりしてふれる神楽坂 6p

川柳は点が分散しましたねー。
さん太さんに点を入れたのは圧倒的に奥さんの尻に敷かれているご亭主ばかりでした。ほら、あの声と態度のデカイ人とか、関西弁でうるさい人とか、外面の良い某役人とか・・・あわわ失礼しました。

馬笑さんのは先日天狗連有志で東京へ観劇ツアーにでかけたときの作品だと思います。東京のデパ地下って楽しいですよね。みんなでお弁当を選んでいたときの光景が思い出されます。ひねりはないけど楽しいので参加者以外のポイントも稼いでいました。

おなじく東京観劇ツアーに参加した紫蝶さんは、俳句も川柳も東京の香りがします。「つまづいたふりして一緒に歩いている女性に触れるっていいでしょ。」って言うんだけど、だれも触れられませんでしたよね。天狗連の女性陣は問題外ってことですか?「くれぐれも電車の中でつまづかないようにしてくださいヨ!」って言っておきました。

私は「イマババァ」に点を入れました。ついつい真似してみたくなるんだけど、後悔するんですよねー。(実感)

私の作品はですねーーー、へへへ身内ネタです。郵便箱に春が来たんですよぉぉぉ。(それでポスト君本人からも○もらっちゃいました。)最近のポスト君はメールばかり気にしてるし、知らない間にいなくなること多くて、何やってんでしょうかねぇ?(#^.^#)
昨今の我々の集まりは、このネタが旬となっています。


その話題のポスト君、今月は俳句はパスして川柳に挑戦しました。
「お前ねぇ、その辺のサラリーマンのやりとりのまんまじゃないか」とみんなからいじめられてました。
作者 地口(だじゃれ) ポイント
みるく 我が保証書です!無効です! 3p
ヽ助 いないいないバウァー! 1p
三代 戸惑いてんてこまい高校 4p
虚生 ならぬカンニングゆるす担任 6p
南朝 渡部にとじ蓋 0p
初音 暇な釣り 6p
減滅渡 イナバウァーの白うさぎ 1p
馬笑 圏外孤独 1p
さん太 私、残高こわい・・・ 12p
フカシた芋も適わぬ旨さ
豊橋名産ヤマサのちくわ
0p
辰也 挫折禁止 2p
ポスト 謙虚なポチ 0p
呈茶 どウィニーも止まらない 4p
紫蝶 メロメロで童夢すいません 1p
のヽ字 こいつを貼るから元気がいいわい 17p

のヽ字さんトップ!「こいつぁー春から縁起がいいわい」の言い回しで膏薬貼るとなんだか効きそうな気がします。皆さん、是非お試しあれ!

さん太さん久しぶりに返り咲きましたね。「ねぇ、どういう時にこーいうの思いつくの?」と紫蝶さんが真面目な顔して聞いていたのがおかしかったです。

攻君は場所を一杯取ってるのに点が入らず。やはりみんなからいじめられていた。

虚生さんのは「ならぬカンニングゆする担任」だったらもっとおもしろかったのに・・・との声が。恐ろしいご時世ですね。

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